象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

古書象々の本買う理由―そのワケは?

私が、興味を持った本を出来るだけ新刊で買う理由は、新しい本が出版され、それが売れてゆかなければ、未来に古本が生まれない、からです。

ですが、出版文化がどうとか、活字文化がどうとか、紙の本がどうとか、本好きがどうとか、そういう、なんか古本屋もいっぱしの文化の担い手だ、みたいな感じの、そんな上等な事を考えているわけでは、もちろんありません。古本屋とは、畢竟ただの古物業ですので、文化とかなんとか言う前に、単に、モノとしての、払い下げの本が生まれなければ、商売もなにもあったもんじゃない、という、身も蓋もない話なのです。

まあ、そう言ってしまえば、あとはただ殺伐とした古物の荒野が広がっているわけで、それではあまりに夢がなさすぎる、そうだ、単に、モノとしての本と言っても、やっぱり、その時代の文化の一翼を担っているわけで、文化とは切ってもきれないモノに違いありません。そうした本の払い下げ、一度消費された文化の払い下げを待って商いする私も、やっぱり、多少は文化してるんじゃないかと、払い下げ文化してるんじゃないかと、荒野に花を咲かせるように、考えてみたりもするのです。

要するに、何も生み出さないのに、文化的なブツを扱っているが故になんか文化っぽいポーズをとって暮らさなければならない罪悪感から、少しは生産的な仕事に協力しよう、という、贖罪の気持ちゆえに、私は本を買うのです。はい。

もちろん、世界の最果ての私という場所で、世界とか日本とか何事かを知りたいという欲求があることも、全くの嘘ではありません。

縮刷版 夏目漱石『心』 大正13年第44版

この本もかつては新刊でした。

 

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古書象々の本買う理由―そのワケは?
古本屋の日記 2023年4月27日