象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

目利きのお店?

禁酒四日目。昨日の雨の中で〜。

 

夏の終わりを告げるかのような激しい雨音を聞きながらただ横たわってぼんやりと白い壁を見つめていると、この十年間どこかで感じ続けていた疑問の答えが、ようやく見つかった、というより、わかっていた答えをようやく認める気持ちになった。壁は、時折、いろいろなことを納得させてくれる。

 

象々は象々に語る、とても残念なことだが、象々は、目利きではない。今日、それを、壁の中で、自分で、はっきり認識した。象々が壁の中から指差して云うんだもん、象々は目利きではなく目スリ(モノを見誤る事)の象さん、である、と。

 

夜。「象々は目利きではない」と、声に出して玄さんに伝えると、「前から知っておりました」という返事。では何故もっと早くその事を僕に伝えないのかと問いただすと「なんども伝えました」。そうか、そうか。聞こえてなかったんか。そりゃまあ、真剣な顔で、こんだけ色んなモン買うて来て、ええもんや、ええもんや、云うてたら、そりゃあそんな話聞こえるわけないよな。「そうです、あんまりひつこ云うたら傷つく思て。どんどん変なもん増えてくるし、うち、心の底で、なさけのうてなさけのうて」

 

とまでは云われませんでしたがね。ま、ソクラテス風に云えば、目の利かんことを知ることが、目利きの第一歩、いうことですかね。ということで、再び、今日から目利きの第一歩。

 

古本の出張買取、査定。

 

(姉とW氏にもらった、世にも珍しい目利のお店の看板)

古本屋の日記 2011年8月28日