春画を見てもらいたいというご依頼は大抵近年の印刷モノがほとんどなのであまり期待せずにお伺いしたのですが、予想に反して、近年モノに混じって何点か江戸時代のオリジナルがあったのでびっくり。よろこんでカチッと値段を出し快くお譲り頂き、さて他になにかと床の間を見ますとアイヌの熊の置物。ふむ。よくある熊に見えるが、よくある熊よりもずいぶんと立派な形をしている。頭の隅を、数は少ないがアイヌの熊にも高く売れるものがある、という昔の知り合いの言葉がよぎって、この熊は、とお客様に聞くと、邪魔なのでさしあげますとのお言葉。もしかすると高く売れるかもしれない熊をタダでいただく訳にはいかないので欲目一杯の金額をお支払いしこちらも快く譲っていただきさて持ち帰って調べてみると、重くて立派なわたしの熊は、数は少ないが高くに売れる熊とは似て非なるただの熊であることが判明。そのへんにほっぽり出す訳にも行かず途方に暮れてくまったもんだと腕組みをし。
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