象々の素敵な日記 古本屋の日記

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古書象々の本買う理由ーその3 ニーチェ『ツァラトゥストラ』

私が「ツァラトゥストラ」を取り上げたからと言って、絶対に、私に、ニーチェについてなんかを尋ねたりはしないでください。嘘偽りなく、最初から最後まで読み通したのですが、それはええ、ほんとうにほんとうなのですが、もののみごとに、ほとんど何にも、頭の中に残ってはいないのですから。

 

私が「光文社古典新訳文庫 ツァラトゥストラ 上・下 丘沢静也訳」を買ったのは、学生時代に挑戦した時唯一頭の中に残っていた「せむし」との対話の場面をもう一度読んでみようと思ったからです。そう、それは、なんで、そう思ったのか、といえば、毎晩入浴しながらYouTubeでマルコ・マタイ・ルカの三福音書を繰り返し聞き、ようやくそれぞれの違いが多少わかるようになったようなわからないような感じで、ふむふむ、しかし、イエスは、人間を救いまくってるなあ、とくに、わたしは「長血の女」の場面が大好きなのですが、ええ、わたしなんかも随分長い間あれこれ苦しんでいますから、なんか、どうにか、救われたいなあと思いつつも、2023年のマンションの、追い焚きのできないお風呂の中ではイエスに触れることなんてとてもできませんし、あーああ、しゃあないなあとぬるくなる一方のお湯をチャプチャプやっておりますと突然、ふと、ツァラトゥストラの「せむし」のことを思い出し、それで、なんか、イエスの救いに暗い翳りが、わたしの、こころに、揺らぎが、それで、数日後、ふらりと、某大型書店に入った時に、その翳りの元凶に呼び寄せられるようにして、気がつくとこの文庫本を手にしていたのです。はい。

 

「せむしは背中のこぶを取られると、精神までとられてしまう」

 

この世界は深い。

昼が考えたよりも深い。

この世界の嘆きは深い。

喜びのほうが──深い悩みよりも深い。

丘沢静也訳

 

 

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古書象々の本買う理由ーその3 ニーチェ『ツァラトゥストラ』
古本屋の日記 2023年4月12日