象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

古書象々の本買う理由ーその4『ダダ・カンスケという詩人がいた 評伝陀田勘助』

「北園克衛1920年代実験小説集成20’s」という本が出たというのを遅まきながら知って、ある夕方いつものごとく堂島の某大型書店にウォーキングがてら見に行ったのですが、2階の検索の機械で在庫の有無と並んでいるコーナを確認してその辺りを、ありきたりな表現で申し訳ありませんが目を皿のようにして探したのですがちっとも見つからず、さらに皿のような目をして、いや目を血のようにして棚を、これまたありきたりな表現で申し訳ございませんが穴の開くほど見つめて、そうして最果タヒとか谷川俊太郎とか茨木のり子だとかに目がちかちかしてもうあきらめようとしたその時、ふとこの本が目に止まったのです。

「ダダ・カンスケという詩人がいた 評伝陀田勘助 吉田美和子著 共和国刊」

トリスタン・ツァラがキャバレーヴォルテールで発明した「DADA」の名を冠した詩人のことを名前だけはなんとなく聞いたことがあるようなないような、へえ、ダダカンというのはなかなか素敵な響きだねえ、ダダ、と聞けば秘密結社的反射にダダ、と答える私の雑読好奇心がいたく刺激され、すっと棚から本を抜いてぱらぱらページをめくってみると、日々本の山の整理に追われる古本屋的日常の中で、時々、本は商うものでありながらこれはそのうち読もうと自ら取置きしてしまう蛸足食的本があるのですが、その積読本の小山の一番上にポンと置かれた1冊「日本アナキズム運動史 小松隆二著」と時代的にシンクロしていることに気づき、この偶然、この流れには身を任せなあかんなあというわけで、手にしたその本を棚に戻すことなく私はレジに向かったのであります。はい。

 

蛇足ですが「共和国」という出版社のことをこの本で初めて知ったのですが、巻末の出版書目を見るとなかなか面白そうなタイトルが並んでいます。

 

高橋新吉 ダダイストの睡眠

萩原恭次郎 断片 1926−1932

武田麟太郎 蔓延する東京―都市底辺作品集

冨士原清一 薔薇色のアパリシオン

 

などなど。

また何か買ってみようと思います。

 

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古書象々の本買う理由ーその4『ダダ・カンスケという詩人がいた 評伝陀田勘助』
古本屋の日記 2023年4月20日