象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

町の本屋で本を買う。

テレビの云うとうりやっぱり寒い。

夕刻。山ちゃんと立ち飲み。遅まきながら新年の挨拶。

ほろ酔いで帰り道。引っ越したマンションの近くにある小さな町の本屋さんに入る。

入った以上、絶対に何か買うまでは外に出てはならないと云うマイルールを守るため30分ほど店内をうろつくもなかなか欲しい本が見つからない。他に客はなく、お店の人の期待がひしひしと伝わってくるような気がして気持ちが焦る。雑誌と、流行りの作家の文庫本が中心の中、お店の個性を打ち出そうと云うのか落語関係(なぜか志ん生多し)の書籍のコーナーがありそこから何か一冊と思うも手が伸びない。そのコーナーの横にちょこっとだけ、講談社学術文庫が並べてありそこから救いを求めるようにフロイトとアインシュタインの往復書簡「ひとはなぜ戦争をするのか」と云う薄っぺらい一冊を手に取る。安心してください。買いますよ。買います。一人買い縛りのノルマ達成。なぜか格安のチケットも販売しているレジへ。英字新聞風の洒落たブックカバーを巻いてもらいようやく肩の荷を下ろした気分。本は売れるでしょ。うん。売れる。と一人満足。ガラリと扉をあけて、テレビの云うとうり寒い寒い冬の町へ。

古本屋の日記 2017年1月13日