象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

恥ずかしながら。

店の片付けを、珍しく。埃っぽい本をはたいて、あちこち転がった段ボール箱やなんやを、まとめて、と。と。おや、ボロい箱の隙間から見覚えのあるファイル。ニヤリ、とした後、冷ややかな気分。あんなに、大騒ぎをして、どうして、こんなところに、いるのか。数万円分の、切手のファイル。誰が、こんな、絶対見つからないようなところに、入れたのか。謎の、切手ファイル。ありました。皆様、お騒がせ致しました。恥ずかしいので、黙っていようかと一瞬思いましたが、嘘は、いけない。やっぱりわたしは馬鹿ではなかった、のか?こないだの幸福と不幸の話でいうと、わたしは、不幸の探知能力にも欠けるが、身近な幸福にも気づかず、というか、もともと何も起こっていないのに、勝手に、不幸だなんだと大騒ぎをして、ーー数日前の、この日記の書き手は、馬鹿だ。幸だ不幸だと、自分自身に弄ばれる。恥ずかしい。彼はひとりで大騒ぎ。切手ファイルは、澄まし顔。少しも、得した気分になれない。忘れる術より憶える術。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。またなくすのはいやだから、久々に、買取のダイレクトメールを一斉発送。大阪の建築設計事務所、デザイン事務所、など。年末は、少しも効果がありませんでしたが、幸運の切手で、届け。

古本屋の日記 2011年6月9日