象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

Tout disparaîtra

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平成元年。

何かモノを書いてみようと思っていた若き象々は頭にふと思い浮かんだ言葉をノートに書き留めた。

 

地下鉄の、

黄色い金魚。

 

以来、その言葉は加筆も訂正も削除もされず、そのままずっとわたしの頭の中にありつづける。

他の、多くの大切な言葉を忘れてしまったにもかかわらず……。

そして今不安なのは、残ったこの言葉もわたしが死んでしまえば消えてしまう、ということです。

古本屋の日記 2015年9月8日