象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

春と電気剃刀

どうも、いよいよ、春のようである。わたしのようなものにも平等に季節は巡ってくるのである。暖かい。どうだ、こんちくしょう、わしの春のほうがちょっと色がきれいだぞ、などと、あばら屋の隙間から世間様に毒づいている子供のもとに、なぜが、父から、ぴかぴかの電気剃刀が届く。四枚刃、水洗いOK。すごい奴。……春なのである。うむ。喜寿の父は何ゆえ43歳の息子に電気剃刀を送るのであろうか。うぃいいいいいんと高く響く超音波振動に身を委ねながら、いつもわたしの顔をきちゃないと叱る母の顔が思い浮かび、そして、その横で素知らぬ顔をしている父の顔を思い出す。……。そうであったか。おとうちゃん。そうか、そやったんかいな、おやじ。うぃいいいいいいんとやって、これ、ほんまによう剃れんで、えらい奇麗になったわ。ほれ、つるつるや。

 

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古本屋の日記 2012年3月29日