象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

寂しげな、石原莞爾の肖像。

石原莞爾

なんとなく、元気がないように見える石原閣下であります。お客様から買い取らせていただいたアルバムの自筆の説明書きには「石原莞爾京都師団長〜」とありますが、もしかしたら、他の時期の写真を貼付けているだけかも、と思い、肩章をルーペで拡大、それが、陸軍中将のものである事を確かめ、間違いなく昭和14年頃の、京都時代のものであることを確認しました。そんで、改めて見ますと、やっぱり、なんとなく、寂しげな気がしますな。満州事変の立役者も、東條との意見対立が祟って、王道楽土・五族協和の彼の地から舞鶴要塞の司令官と云う閑職に飛ばされ、昭和14年、陸軍中将に任ぜられ、第16師団長となりますが、もう完全に陸軍中枢からは外され、なんだかつまんねえの、てな感じでしょうか?激動の昭和史のド真ん中を生きた閣下には、京都の留守師団のお守りは少々退屈であったかもしれません。草っ原の向こうに霞んでいるのはどうも海のようですが、その波の音は、どんな風に聞こえたでしょうか?
古本屋の日記 2012年2月18日