象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

戦時下のデザイナー(の卵)たち〜京都高等工芸学校のアルバムより

古写真
京都高等工芸学校

満州事変、支那事変〜太平洋戦争へとつづく長い戦争の半ば、昭和13年ごろの京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)の図案科の教室の一コマ。後ろにずらりと貼られているのは学生たちの作品かと思われます。「起てよ正義に!」「守れ東洋」「東洋平和の為に」「守れ祖国」などの言葉をそのまま主題とした図案がずらりと並びます。ほんとうは、美人のお酒のポスター(赤玉みたいな)でも、描きたかったのかもしれませんが……。このアルバムの持ち主は卒業後豊橋の陸軍予備士官学校に進学、絵筆を銃に持ち替えて、昭和16年11月、第十六師団(京都)野砲兵22連隊に陸軍少尉として任官されたようです。

古写真

(ぎりぎりのところまで肌を露出したモデルさんを前に真剣な眼差しで……。)

 

まあ、毎度同じですが、古本屋のわたしには何かああだとかこうだとか云えるような事はないのですが……。ただこのアルバムはいつまで見ていても、飽きることがないのです。

古本屋の日記 2012年2月5日