象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

堕ちる。

「けれどもほんとうのさいわいはいったい何だろう。」

ジョバンニが言いました。

「僕わからない。」

カムパネルラはぼんやり言いました。

 

どうも、いけない。いつも、人と飲んだ翌日には、誰かに謝らなくてはならない気がして、心が、落ち着かない。たとえ何も無くても、あるいは、誰もなんとも思っていなくても、記憶の底から、夜の酔いに紛れて自分が話した些細な言葉が聞こえて来て、それは、とても、悪い言葉に思えて、胸が、苦しくなるのです。

 

深ーい、ため息。悪いものを、外に出す。今日は、誰とも話さない方がいい。

 

誰かと話すことが、失墜の、はじまり。地上に激突する前に、もっと優しい言葉や、もっと美しい言葉を、憶えたいものです。

 

なーんてね。

古本屋の日記 2012年1月28日