象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

スピード。錆び。

「痛いままに、不死身であったならどうすればいいのか?先生に聞くのを忘れた。」

 

非常な健康体であるにも関わらず、朝、起きるのが辛い。特に最近は、新しい朝という奴が非常に頻繁に訪れるようになった気がして、そのペースに、身体がついてゆかない。もう、そんなに、沢山の新鮮な朝は、いらない。子供じゃあるまいし、なにも、うれしくない。ゆっくりと生きるのが、わたしの好むところである。できれば二日に一回、贅沢を云えば三日に一回のペースで、朝を、目覚めたい。まあ、世間一般から見れば随分とのんびりしているようにも見えるでしょうが、自分の感覚で云えば、毎日毎日朝朝朝では、これは、やはり、早すぎる。どうなっているのかと早朝の空を仰いで見ても、ただただ、青く澄んでいるだけである。関節をグキグキとやって、感覚を確かめる。やはり、錆びて来ている、ような気がする。あまりにも早すぎると未来との距離のバランスが崩れて今ここに二十年後の錆が侵入して来ているのではないかと、不安になる。

古本屋の日記 2012年1月11日