象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

ラーメンを悩む。

ずくずくのきつねうどんは人生の癒しになるが、ずくずくのラーメンは、今日という日を少し残念なものにする嫌がらせとしか思えない。汁、に映る自分の顔が情けない。なんで、あんなラーメンを作る事が出来るのか。昼からずっと考えているが、うまく考えを纏める事が出来ない。天神さんの古本まつりの準備をしなければならないのに、心は、千々に乱れ、仕事が手につかない。お金を払う時に、高校生はこのラーメン3玉分食べんで、と云われたが、本当だとしたら、その子は、現代日本ではあまり見かけないよほどの欠食少年であろうと思う。。うどん屋が作る通の味、といった誇らしげな顔をしているおっさんに、どう伝えればいいのか?

世界が一冊の美しい書物だとして、だよ、おじさん、このラーメンもその本のとても微妙な美のバランスの構成要素として書かれているわけだけれども、ね、一体、どんなふうに書かれているだろうかね。その短い一行は。無限に連なってゆく果てしのない行から行へと今日を越えてゆくの宇宙の深い深い闇の中で、どんな、微かな光を発するだろうか。このラーメンは。おじさん、ちょっと、想像してみてよ。

古本屋の日記 2011年10月4日