象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

真昼の 闇に 会いに行く

クラインから電話。お昼に、待ち合わせをする。互いの貧しい魂を、貸したり借りたりするのだ。

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クライン文庫のフルカワを初めて目撃したのはもう20数年前になるか。ろくでもない舞台人や文学青年、似非詩人や哲学者?、とにかくうさん臭そうな連中がゾロゾロと四天王寺近くのどこかに集って、それぞれの過剰な自意識を投げつけ合い、擦りつけ合うという会があった、ま、運子の投げ合いやね。その主催者が、フルカワだった。当時、他にもっとましなグループもあったに違いないのだが、なぜか象々も、友人に誘われるまま、その変な、何の集まりだか判らんような場所へ顔をだしていたのだ。まだまだ、純真だったし、何か、そういう集まりに参加することで「芸術的な自分」というものを担保できるような、そんなわけの分からん熱病に罹ってたんだろうね。日記タイトルの言葉は、参加者の一人の、白石かずこっぽい女の子が朗読した詩の一節。馬鹿馬鹿しいと思いながら参加していたのでほとんど何も憶えていないのだけれど、不思議とこのワンフレーズだけは、その声音とともに今でも鮮明に憶えています。あと、フルカワが、リンゴ、と、白い画用紙に書いて、これはリンゴだ、リンゴと書いてあるから本当にリンゴだ、リンゴだから食べることが出来る、と、皆の前で大見得を切って、その、固くて食べにくそうな画用紙をムシャムシャやりはじめたのはいいけれど、やっぱり、全然、噛んで飲み下すことが出来ず、噎せて、涙目になって、咳き込んで、涎が出て、やっぱり食べれません、と、申し訳なさそうに云ったこの集まりの、クライマックスー象々鼻でせせら笑いながら、こんなおっさんとは2度と関わることはないだろうと思った19の春でした。

 

 

 

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古本屋の日記 2011年5月3日