象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

居酒屋のない日々は、自由な毎日。誰も僕を責めたり、できはしないさ。

「詩人というものはただもう大酒をくらって、そうして地べたに寝たりなんかすると、純真だとか何だとか言ってほめられるもので、私も抜からず大酒をくらって、とにもかくにも地べたに寝て見せましたので、仲間からもほめられ、それがために……」太宰はんの小説のとある一部分。

 

でな調子の20数年と決別する為に、今日から居酒屋へは、一歩も足を踏み入れない事にきめました。新しいLIFEの始まりです。居酒屋のない人生とはどんなものか、果たして見当もつきませんがね。真面目な顔で市場を出ようとしたところで、優しいフルカワが、ええやん、奢ったるし、二人やったら大丈夫、と囁きかけて来たので、ここで、ドストエフスキーの小説の登場人物なら苦悩の果てに誓いを破って、絶望の酒杯で普段の倍ほどの大酒をくらって四頭立ての馬車で街を疾走、わけも解らんような感じで泣きながら大暴れ、というところだろうな?、と思い、まあそれでもいいか、と一瞬納得しかけたのですが、あたしは亜細亜の古本屋、ぐっと堪えてさようなら。ほっと、家に帰って、台所の洗い物をして、さて読書でも、と思うのですが、なんせ、飲みの誘いを断ったことがないもんだから、どうも、居心地が悪い。空間全体が、こんなに白けた感じなの、今まで見た事ない。しらーと、聞こえるよう。これは、あかん、ていうか、腹減って来たし、おばちゃんの店いこ。あっこは、居酒屋ちゃうし、ビールと焼酎あるげどただの食堂やし。ルール上、あっこはセーフ。ほとんど店ちゃうし。

古本屋の日記 2011年9月27日