神戸出身の画家、別車博資が某雑誌のために描いた挿絵の原画２点。
別車某、といっても、ほとんどの人がはじめてめて聞く名前ではないかと思います。かく云うわたしもはじめて。今回お譲りいただくまでその存在を知りませんでした。うっかりすると、ポイとどこかへ捨てられてしまいそうな地味な作品。このまま、陽の目を見ずに忘れ去られてしまうのはなんとなくもったいないと思い、とりあえず、誰も見てはいないかもしれませんが、明るい所へ置いてみました。どうでしょう。地味でしょう。こんな風に、目立たず、あるいは誰の目にも留まらずに消えて行った人間の表現がどれほどあるでしょうか？捨てられ忘れ去られたさまざまな存在の痕跡（などというと少々大袈裟でしょう…）がどれほどあるでしょうか。
……。
あるいは、今残されつつある誰かの表現も、その忘れ去られた幾千幾万の痕跡の新たな再現であるかもしれず…。
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