象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

ヒミズの記憶

古谷実の「ヒミズ」を読んでからか、あるいは、もっとずっと以前から、その冷たい感触に癒されていたのか?チャカの、黒い幻は、いつから僕のこめかみに押しあてられているのか?化け物に魅入られた者は、その黒くて重たい、冷たくてかたい感触をこめかみ感じることで、自分を、なんとかこちらの世界と和解させることができるんだね。撃ったら、終わりーーまだ、何かあるのか?あの少年は、もっと渇いた世界へと、超えていったんだね。許さないのは、一体誰なんだろうか?許されない者が、闘う道はあるんだろうか?僕もその黒い幻を白日の夢によく見るのですが、ガチャリと、大きな劇鉄の音を聞くだけで、まだ、引き金を引くことは出来ないチャカの、黒い幻。
古本屋の日記 2011年7月5日