象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

歩行。

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路地から路地へ。あてのない歩行。風景から風景へ、わたしを探すわたし。つまりは、今ここにいるわたしはもはや(或はいまだに……)わたしではないのか?森の奥の湖の、清く澄んだ水をすくいとって、その中に映る美しい光を覗き見るように、町角から町角へ、時間から時間へ、確かにそこにいた(そんなに確かでないけれど今いるのだからいたであろう……)懐かしきわたしへ、近づけば近づくほど遠ざかるこの歩行。

 

近所のスーパーで、小さい頃に好きだった味カレーを買う。そこで、ふとアイスクリーム売り場を見ると、こないだ兎月屋さんとの懐かし話に登場したあの王将が……。残念ながらオリジナルのパッケージではなく、6本入りのお徳用でしたが。

 

歩いてもどこにもたどり着かない。昔の詩人の言葉によると、悲しみが深まるだけだ。はは、チョコ、バナナ、イチゴの三色の味を口一杯にほおばって舐める。うまい。うまい。

 

 

古本屋の日記 2014年5月24日