象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

愛アムール。

ミヒャエル・ ハネケ監督の「Amour」を観る。朝九時半から一日一回上映と片隅に追いやられた感があるのは「ファニー・ゲーム」によって植え付けられたイメージのせいでしょうか?物語はリアルな老老介護もの。半身が不自由になった妻とそれを献身的に介護する男の姿を淡々と描いてゆきますがラストはやはり……。早い時間にも関わらず、そのテーマ性に惹かれて観に来られた年配の観客には少々酷な終わり方です。一切音が入らない素晴らしいエンドロールの間、誰もが皆居心地の悪さを感じずにはいられないでしょう。この映画の中で一番訴えかけてくる場面??は、この、無音のエンドロールではないかと思える程です。男は、唐突に自分自身を裏切るわけですが、それでもなおかつそこに愛はあるのでしょうか?答えは、部屋の中に迷い込んでくるあの鳩にあるのかもしれません。

 

その後、ABCマートで、一年ちょっとぶりに新しい靴を買う。肩が凝り腰痛が酷くなってきたなあと思ったら、どうも400日ほど履きつづけて傾いてしまった靴のせいだったようです。思い切ってニューバランスの、(MADE IN USAの)ちょっといいやつを買う。色々説明してくれたお店のお兄さんのスニーカーに対する知識と思いの深さに感心する。

古本屋の日記 2013年3月31日