象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

わたしは禿げかかっている。

時おり、ナルキッソスの呪いのせいで、点々と続く自分らしき者の足跡、この象々日記を読み返して見るのですが、変な言葉多く、誤字脱字多く、文章腸捻転、暗転自己嫌悪、げろげろ、正直、気持ち悪くて、この鏡の中で溺れ死ぬことなんて出来そうにありません。

……。

 

……火を灯すためにではなく点々とつづくその光の道標を消すための言葉を探しているわけです。与えられた光、教えられた言葉を消して、まっ暗闇の中、あなたはあなたを消す、わたしはわたしを消す。きれいに澄んだ暗闇。誰もいないのではないかとも思える冷たく澄んだ空間の中で長い時間をかけて向こうの方に手を伸ばせばやはり何か触れるものがありそれはあなたであるかもしれないわたしであるかもしれないほかのあらゆる者であるかもしれないのですが再びそれを名指ししたくなる欲望の火を沈黙の冷たい滴で消し去るのです。

 

……。

 

ここにいる……。わたしは禿げかかっている。不機嫌だ。

古本屋の日記 2012年12月30日