象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

エミさんを送る。

結局のところ、誰も、牧野エミの晩年の痛みと孤独を知る事はなかったのだと思う。たくさんの参列者たくさんの涙たくさんの花束が、果たして本当にエミさんの悲しみに届いたのかというと、それは、やっぱり、ーーエミさんは喜ぶだろうけれど、ーーそれは、やっぱり、エミさんの悲しみを慰めるに足るものではなかったように思う、のです。

 

それでもなおかつ、やはり少しは明るい顔をして、エミさんありがとうございましたと、ずうずうしく、云ってみたりしながら、小さな花を棺に投げ入れるのです。

古本屋の日記 2012年11月19日