象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

狂人日記??

はっきりしない天気と、飲み過ぎによる体調不良のせいでありましょうか……。古本を売るという行為が、ひどく物悲しいことに思えてきて、今日耳に聞こえる物音はすべて歪んだラッパのバラード。結局は、なんにも知らないままに死んでゆくだけであるのに、なにか知ったかな紙切れを、その紙屑を後生大事にしているだけならまだしも、時々はその神様からのご託宣を偉そうに人に話したり人に話されたり……。オマエラ、マチガッテモナケレバタダシクモネエ……。ただ、なんとなく、わかったような気がしているだけで、ある日ある時、誰もがみんな崖から落っこちて死んじゃうだけ……、奈落には、上も下もない、本から文字がこぼれて、バラバラに、ほらほらやっぱり縦も横もないない、オマエラシアワセデモフシアワセデモネエ……オマエラダイタイイミガネエ、この場合のお前らは、やはり、世界中の人という事だろうか、そうだ、オマエラとは常に自分以外の世界中の人間の事だ……この汚い古本小屋の中でただ一つだけ明るいパソコンに向かって、世界と対峙する無意味の勇者、な気になって、ひょろろろろー、ひょろろろろーと、もう何日もご飯を食べていない音楽家が壊れたラッパを吹いているような世界の音を聞きながら、明日生きる為のわずかばかりの古本にわずかばかりの金額を書き込んでいるのです。

古本屋の日記 2012年10月1日