象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

幻視力。

今日は、少し、真面目に働く。よく考えてみれば、また、飲んでばかりの生活。夕方、目録用の写真を保存するためのSDカードを買いに行く途中、久々に、清志郎の「いいことばかりはありゃしない」を口ずさむ。目録のたびに、SDカードを買っている。いつも、どこかへ、消えてなくなる。〜ちょっとは幸せそうに見えるのさ。だけど忘れたころにヘマをして、ついてないぜと苦笑い。吉祥寺あたりでゲロを吐いて、すっかり酔いも醒めちまった、背中、まるめて、帰り道、なにも変っちゃいないことに、気がついて、坂の、途中で、立ち止まる。

 

そういえば、最近、わたしの周りでモゾモゾしていたり、グニョグニョしていたりする者たちの姿を見ない。蟲たちも心なしか遠慮がちにしか姿を見せない。世の中はただ日の光の下で白っぽく歪んでいる。暑さのせいか、何も、思い浮かばない。柔道金メダルの女の子の決勝に向かう力強い狂気の表情を思い浮かべる。貪欲なまでに勝利を求めるのは一つの狂気である。それは世界を破壊し尽くしたいと思う衝動に似ていると思う。同じ酔うな気持ちになりたい、人は人のいる未来しか想像しようとしない、強固な意志の果てには無人の世界が広がる……、一見そうあるべきだと誰もが賛成する世界、以外の世界を夢想する、わたしの幻視力を再稼動できないものか?なんてね。文楽劇場裏を少し西へ云った所にある立ち飲屋で、ひとり興奮する。

古本屋の日記 2012年7月31日