象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

暗い方へ。

一日はっきりしない天気。気分もス型にならない。調べても分からないことが多くて、夕方、仕事を投げ出す。空堀商店街の、KOYOの前のたこ焼屋でビール。新聞に目をとおしながら、おかわりは健康にいいハイボール。一口飲んで、ふと、ママキッチンはもういないのだなと思う。死んだ人の事を思い出すのは、だいだい、一人でカウンターで飲んでいる時である。ふらりと店に入ると「ぞうぞうちゃーん、おかえりー」なんて、嗄れた声で迎えてくれるのだ。「ただいま、ママ」

わたしはどこから帰って来たのだろう?また、飲んだ後、何所に帰ってゆくのだろう?昨日の立ち飲みでテレビがなんとか粒子発見の特番をやっていたのを思い出す。すべてが一つの爆発から始まったとするならばわたしの身体にもその記憶が含まれているはずで、難しい数式を理解しなくても、わたしはすべてを知っているということになりはしないか?なんとか粒子も、何所へ帰るかも。

ダイタイ、コノ宇宙ノコト全テ知ッテル。ワタシ帰ル。ドコヘ?アッチノ、暗イ方ヘ。

古本屋の日記 2012年7月20日