象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

さよならムッシュ・アルコール。

酒を、やめる。六日、飲まない。さすがに昨夜は一睡も出来なかった。素面。無口。清い血液の流れにまだあまり身体が馴染まないので、どのように、生きてきていいのか分からない。ドロリとした生の塊から身体が離脱してゆく。軽い。その軽さが、居心地悪い。身体を見る。間違いなく、わたしの身体である。案外と、あっさりとした感じでこの世界にいるんだな。そよと吹く風に皮膚が敏感に反応する。うれしい。そうか、外界の感触はこのようなものであったか。そうか。二十年ぶりに霧が晴れる思いである。よし。いるな。よしよし。あらゆる感覚器官の働きを確認する。総じて、気分はハイである。
古本屋の日記 2012年7月10日