象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

買取記。

重い建築書を九条からチャリで引き上げてくるのはちょっと無理があるかなと思いながらナビで目的の建築事務所までスイスイと迷う事なく辿り着くはずなのに松島遊郭あたりでスマートフォンをポロリと落としまたもやタッチパネル粉砕。すっかりこの道具に自分の身を預けてしまっていたので行き先がわからなくなり電話もかける事が出来ずしかたがないので九条駅の近くのポリボックスにて官のお世話になる。またやってしまった。チャリに積めるくらいの量の建築書とスマートの修理代を天秤にかけながら若ポリに市民面して教わった目的地へ向いなぜだか焦っているのに目に留まった洋食屋で昼食これがまた非常にまずい、なんてもんじゃない。怒り紙天を突きそうになるも気持ち押さえ公衆電話を探しお客様に連絡、なんとか約束の時間に現地到着、やさしい初老の建築士に対面一瞬買い叩いて帳尻を合わせようとする邪心に魂(と書いて、こころ、と読む)をグワッと掴まれそうになるもこんな時こそ素敵な買取をと魂(と書いて今度は、いのちと、読む)に云い聞かせ素直に査定、本以外にも青銅の香炉と萩焼の茶碗、かっこいいのかなんなのか、未来派になり損ねたようなフォルムの虎の置物を買う。かなり、重い、うえに新しいチャリは荷台が細いので途中段ボールが斜めに宙ぶらりんになり軽いチャリンコが浮いてひっくり返ったりしながらもなんとか組合まで運びきり修理代と不味い飯代を引いてもなんとか3000円くらいは儲かるとやや引きつりながら笑う。人生は、かくも、壮絶也。ガオー。

虎

 

山羊師のブログが再び書きはじめられたようです。

師は、正しく現実と拮抗する狂気をもっておられるのです。

何所へともなくつづく文字の痕跡へ

古本屋の日記 2012年6月28日