象々の素敵な日記 古本屋の日記

象々の素敵な日記

恐怖紙地獄。

わたしはもう紙が恐ろしくってしかたがない。ただでさえ古本屋と云う商売柄どんどん紙が増えてゆくのに、なかなかこの紙はまったくの塵屑まったくの役立たずだと云って捨ててしまう事も出来ず毎日どんどん紙が増えていっているというのに、私の家の小さなポストには、毎日、入りきらないくらいの量のピザやら中華やら鍋物の宅配やら、分譲マンションやら古道具やら水道の修理やら変な宗教やら、もう、なにがなんやらあらゆる種類の誘惑の紙々がぎっしり詰め込まれていて、まるで、口を塞がれた河馬のような、小さなね、まるで馬河馬みたいな様子で、わたしはもう、その、口からはみ出した馬鹿なポスト野郎の様子を見るだけで、手がブルブルと震えて、怒りとも悲しみともつかぬ感情に見舞われわあっと泣いてしまいそうな気持ちになるのです、がね、どんな由来にせよ紙々を粗末に扱うと古代の紙々のように案外祟るのではないかという心配もあり、困った事に、望みもしない勝手にやってくる外来の紙々もなかなか粗末に捨てる事が出来ず、口をあーんと開いて皺くちゃ取り出して、それをテーブルの上で一枚一枚丁寧に皺をのばしては軽く拝だりして、ピザの宅配なるほどなるほど金運が上がりおまけに超能力が身に付く修行法なああるとじっくり拝見いたします。

つづく。

古本屋の日記 2012年6月5日